著者

茂木健一郎

第14回 「ギフティッド」と「学習障がい」は似ている。

2021/09/30 01:29

 インテリジェンスが大切だとして、どのように育めばいいのだろうか?

 一つの鍵になる考え方は、いわゆる「発達障がい」(developmental disabilities)や「学習障がい」(learning disabilities)と言われる子どもと、「ギフティッド」(gifted)と言われる子どもの置かれた状況は似ているという点にあると思う。

 神経科学の見地からは、子どもの個性はひとつながりであり、ここまでが「正常」でここからは「正常ではない」というような明確な基準があるわけではない。

 もちろん、研究者によってはそのような基準を仮に設ける場合もあるが、それはあくまでも仮説であり、しかも多くのパラメータに依存する。

 そんな中で、「学習障がい」と言われるお子さんがいらしたとしても、それは現時点で仮にそのようなかたちで認知することによって、そのお子さんに最適な学習環境を用意できたらいいという配慮に基づくものであって、身長が○○センチメートルであるというような、客観的、定量的な測定に基づくものではない。

 「ギフティッド」と呼ばれるお子さんについても同様であって、どのようなお子さんがそれに相当するのか、明確な基準があるわけではない。例えば数学やコンピュータについて、年齢から期待される習熟度をはるかに超える能力を見せていればそれは「ギフティッド」のお子さんと言えなくはないだろうけれども、その場合にも、また、そのような認定自体がそのお子さんに適した学習環境を周囲が配慮して準備できたら、というような動機づけに基づいている(あるいは基づいていなければならない)。

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