著者

岩渕潤子

ドラマから紐解く“デジタルなあの世”とは?

2021/08/25 10:08

過去・現在・未来・・・デジタル・アフター・ライフ

 私が「デジタルお盆」というか、亡くなった祖父母や父母、ペットだったわんこたちとSNSのようなものを通じてコミュニケーションができたら…といったことを考えるに至ったのには様々なきっかけがあったと思っています。一つは毎日の暮らしがコロナの影響を受けるようになって、夜中に動画配信の海外ドラマをやたらと見るようになったこと。昨年の第一回目の非常事態宣言の時にはアマゾン・プライムのオリジナル・ドラマを見ながら、iPadを抱えて寝落ちすることがよくありました。

 

 そんな時に出会ったのが『アップロード』というアメリカで作られたドラマのシリーズ。ネタばれしないよう、細心の注意を払ってストーリーの前提をざっくり説明すると、人間が死後、自分が生きていた時の記憶や思念をデジタル世界にアップロードすることができ、現世の人々がヴァーチュアル世界の彼らを訪れて、あたかも生きていた時と同じように交流することができる近未来を描いた作品といったところでしょうか。初めてこれの1回めを視聴した時、夜中に一人で見ていたこともあって、「え? こんな奇妙なテーマ、誰が見たいの?」と思いました。でも軽いシニカルなコメディ・タッチで、見るからにお金のかかっているCG映像に目を奪われてしまい、2話以後も夢中になって最終話まで続けて見てしまったのでした。こんな人の生死、しかも死んでしまった人たちの「その後」の暮らしと、現世に残った私たちとの交流をメイン・テーマにしたドラマはどういう背景で生まれたのか。見た人はどれぐらいいるんだろう?と思い、あれこれ調べてみたところ、なんと世界的に大ヒットしているということがわかったのでした。

 これも、もしかしたらコロナによる家ごもりと関係していたのか、少なくても昨年の5月頃といえば、世界的に動画配信プラットフォームは大きく契約数を伸ばしており、目新しいオリジナル・コンテンツが人気を集めていたのは事実です。また、動画配信サービスを日常的に利用するような人であれば、VR(ヴァーチュアル・リアル)とかSNSといったものに慣れていて、こうしたストーリー設定を荒唐無稽と思うより、近未来に十分起こりえることとして、かなりの現実味をもって受け入れたのではないか・・・と考えました。

 そこで、日頃からVRやホログラムによる表現について研究している親しいクリエーターの方たちに「おススメのドラマ」として推薦し、見て頂いたところ、皆さん、こぞって「すごい! よくできている! お金があるところが作るドラマはすごいね」という反応でした。そして、これこそ近未来のVRが日常表現として当たり前のように使われる世界ではなかということで、大いに盛り上がりました。

 

 もう一つ、『アップロード』を見たことで記憶に甦ったのが、2017年のピクサー・アニメーション・スタジオ製作、ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ配給のアニメ映画『リメンバー・ミー(原題:Coco)』でした。

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